台北|洞窟寺關渡宮

皆さんこんにちは。
時に皆さんは、洞窟やトンネルは好きですか?
もしかすると、夏の怪談番組を見ていた方はちょっと苦手なイメージがあるかもしれません。
暗くてジメジメするし、不気味なイメージ。
分かります。

でも、インディ・ジョーンズを見て育った僕は、洞窟に強いロマンを感じるのです。
どこに旅に行っても常に、洞窟&寺でアンテナを張っています。

薄暗くて、狭い、そして不気味な穴を抜けた先に面白いものがあるかも。

もう、そういう固定概念が自分の中に刻まれてしまっているので仕方がないのです。
なので、今回はそんな洞窟寺マニア(?)の僕が、台北で楽しめる洞窟寺を紹介しようと思います。

關渡宮

その洞窟寺の名は、「關渡宮(グアンドゥグォン)」です。
日本語読みてきには「カンドグウ」ですかね。
この道観は、ガイドブックとかにもたぶん書いてある有名スポットだとおもうので知っている方もいるかもしれません。
でも、意外と中心から離れているので行けてない人が多いのではないでしょうか。
ここではそんな人のために、A級ガイドブック的な紹介ではなく、台湾寺マニア的な視点で關渡宮を紹介したいと思います。

行き方

行き方は簡単。
台北からだと、赤色のMRT、淡水線で淡水行(北投行きはダメ)に乗って關渡站でおり、タクシーか歩きですぐです。

と、自信ありげに言いましたがバイクでしか行ったことが無いので迷っても恨まないでください…。

住所:台北市北投區知行路360號112
MRTの最寄り駅:淡水線の關渡站
駅から寺:歩いて20分ほど

關渡宮とは

關渡宮の詳細を紹介しよう。
洞窟にしか興味ねぇよ!ってかたは飛ばしてください。

關渡宮は天上聖母(媽祖)を主祭神として祀る道観である。
その歴史は1712年に遡る、300年以上の歴史深い寺廟なのだ。
詳しい歴史については、關渡宮のホームページでなんと日本語で紹介されているので、興味がある方は是非見てほしい。(http://www.kuantu.org.tw/index_J.htm

この道観も例に漏れず、日本統治時代には抗日運動に参加した僧侶に報復するため、粛清により焼き払われた過去がある寺廟だ。
地元民の働きにより再建された後には、日本の仏教曹洞宗の分家とされたり、でもやりくりできなくて分家を破棄したりと戦後に日本が台湾の主権を放棄するまで、日本は關渡宮を色々と振り回していたのでありました…

リアルタイムで生きていないにしろ、台湾の寺が好きなら、そのことを胸の片隅に留めておいたほうがよりよいだろう。これは完全に個人的主義だけど、現代の台湾人の方が日本に好意的であったとしても、他国の宗教施設へ訪問する者として歴史を出来る限り知っておくことは一つのマナーだと思うし、その方がもっと楽しめると思うからだ。

今日では、關渡宮は台北でもかなり大きな道観として毎日多くの住民に愛されている。
こと、金運に関する寺廟としては台北でもトップクラスの規模で、多分ご利益も多く得られることだろう。

正殿

正殿には、中央に媽祖殿、向かって左に文昌帝君殿、右に観音仏祖殿が祀られている。
特に、主祭神である媽祖の神像はとても大きく立派で一見の価値がある。

沢山の媽祖
両脇には千里眼将と順風耳将が祀られる
文昌帝君
観音仏祖
道教と仏教の習合が感じ取れれる

特に中央の小さな像は、道教の媽祖に、仏教の観音菩薩が習合していることを顕著に感じることができる。
おそらく、媽祖でありかつ観音菩薩でもあるのだと思う。
日本に入ってきた媽祖信仰でも、仏教や神道と習合している例は数多くある。
天妃信仰や媽祖観音がいい例だと思う。

凌霄宝殿

正殿の裏には、道教の実質的最高神である玉皇上帝の祀られる凌霄宝殿がある。

三官大帝と上に玉皇上帝
北斗星君
南斗星君

左の部屋には瑤池金母(西王母)が祀られている。
西王母は玉皇上帝の正妻で、全仙女を統率する女神だ。

瑤池金母

右隣は東華帝君(東王父)が祀られている。
東王父は、西王母に対して全男仙を統率する神だ。

東華帝君

西王母や、東王父は古代神として、女媧や伏犠などのいた創世時代の神であり代替わりはしないと考えられる神だ。
対して、最高神である玉皇上帝は代替わりする神である。
現在は第十八代目で、1863年に神界で総選挙が開かれ、三国志で有名な關聖帝君(関羽)が帝位についた。
その名は關聖玉皇、玉皇大天尊玄靈高上帝だ。

その他のエリア

正殿の左隣に三将軍廟、右隣には1Fに地蔵王菩薩(冥界の使者)の祀られる功徳堂、2Fに薬師仏祖の祀られる廣渡寺の入った建物がある

そして正殿と功徳堂の間にあるのが、『古仙洞』だ。

洞窟① 古佛洞

トンネ…洞窟の入り口だ。
ネーミングからも、期待値が上がる。素晴らしい名前だ。
どうやら、抜けた先には千手観音菩薩が祀られる観音殿があるようだ。

さて、それでは足を踏み入れてみよう。

これはっ!
期待がより高まる洞窟ではありませんか!!

どんどん先へ進んでいきましょう。

うおおおおおお!!!!
なんか、青い光の窓がある!
これは素敵な何かが祀られているに違いないッ!

ありがとうございます。

期待以上でした。

絶対に強い…ッ!

たくさんの、守り神が洞窟に祀られていました。

この先に、千手観音が祀られていることから、この方々は二十八部衆ですね。
二十八部衆は千手観音の眷属として知られていています。
抜けた先の神聖な観音殿にたどり着く前に、ここで邪気を払う意味で配置されているのではないでしょうか。

それではその、観音殿へ進みましょう。

最後の関門、韋駄天

カーブする洞窟を進むとその先には韋駄天が祀られていました。
中華圏では韋駄天は、神聖な場所の守り神としてその入り口に配置されることが多いですが、まさに観音殿の守り神として配置されているようです。

韋駄天に一礼し、観音殿へ

荘厳な千手観音

観音殿には、淡水河を見つめる荘厳な姿の千手観音が祀られていました。
頭上の黄金の鳳凰?も美しい。
ほとんどの場合、千手観音は手の数が省略されて40本(+2本)の場合が多い。
これは、一本の手で二十五有の世界を救うことから、40×25で1000ということになっている。(本当は1000本作るのが大変だからだと思うけど…)

が、しかし、どう数えても40本無い…24本+2本の26本しか確認できない。
逆に26×40で1040本?ということだろうか…???

まあ、こういうのは深く考えても仕方がない。
素晴らしい仏像であることに変わりはないのだし!

観音殿のテラスから見上げる

なぜか、淡水河の写真を撮り忘れる凡ミスをしたため、淡水河の眺めを紹介できないが、素晴らしい展望だったことだけ伝えておきます。

観音殿のテラスから上を見上げると素晴らしい彫刻の数々がを近くで見ることができます。

素晴らしい洞窟でした!

さあ、帰ろう。

と、思ったらもう一本洞窟が!!

洞窟② 財神洞

地下洞窟

淡水河の河川敷の公園で屋台が出ていたので、行ってみようと思って下に行ってみるとなんと、正殿の地下にも洞窟があることが判明しました!

この洞窟は、財神殿の一部のようで淡水河へ続いていました。

いったん、洞窟を抜けるとその正体がわかります。

一見普通の道観だが…

いったん出て振り返ると、また關渡宮が!?

中型の道観だと正殿といってもおかしくない立派な裏口です。

正殿レベルの出で立ち。
福徳正神

内部は福徳正神が祀られておりその裏にある洞窟には気づかない可能性が高い。
観光メインの方だと、ここが關渡宮だと思って帰ってしまう可能性もあるかも?

裏に洞窟がある

洞窟内部には古佛洞と同じように、ショーウィンドウがありたくさんの財神が祀られていた。

そして、突き当りには、天官大帝が祀られていました。


天官

天官は三官(天官・地官・水官)の一人で、上の凌霄宝殿にもまつられていますが、ここにも祀られています。
洞窟の4柱の神と合わせて五路財神となります。

財神殿の屋根には妙に色っぽい(?)仙女の交趾陶の像をはじめ美しい彫刻がたくさんありました。
個人的には、すごく好きな彫刻で、彫刻師が知りたいくらいです。

屋根の一番上の中央には、多くの道観では福禄寿を配置していますが、財神殿だからか、珍しくここでは五路財神が祀られていました。
はっきりと題材があるのかはわかりませんが、真ん中が文官にみえるので趙公明ではないのかもしれませんね?

洞窟以外の見どころ

いや、普通は洞窟以外が見どころなんでしょうけど。笑

ここは、見どころの数がとても多くて紹介しきれませんが、やはり凌霄宝殿のテラスからの展望は一見の価値があるでしょう。
テラスからは、道観の美しい屋根や彫刻を見ることができ、その先には淡水河を挟んで台北市街が見える。遠くは台北101まで見ることができる。

塔を護る雙龍
屋根もきれいだ

裏庭もきれいだ。
頂上からは淡水河の美しい展望を楽しめる。

門が開いていれば裏庭へ行ける
河口方面を眺める

まだまだ、見どころいっぱいの関渡宮。
正直書き始めると延々と終わらないのでここまでとしておこう…。


台湾寺に興味があるなら行って後悔するようなことはまず無いおすすめの道観なので是非行ってみてくださいね!

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