デナリ山(マッキンリー)遠征

こんちくわ。

へたれ山屋のニコルです。
はじめに結果からお伝えすると、2015年5月27日午後18時、北米最高峰デナリ山(元マッキンリー山)のソロでの登頂に成功しました。
入山から下山までの行程は、全10日。
準備を合わせると、約2年をかけての成功となりました。
2015年は非常に天気が悪く、積雪も多かったこともあり下山時の登頂成功率はわずか2%でした。
現在は、20%前後に増えていると思われます。
もともと、ブログなど書く性分では無いのですが、今回登頂に当たって、ネット上からたくさんの情報を頂き、ご助力をいただいた恩返しを込めて、次に挑戦するソロクライマーのためにマッキンリーの情報を発信できたらと思い書く決心をしました。
御託は置いといて…
準備編1
まずは今回は準備編を書こうかと思います。
やらなければならない事は、
・ギアの補充
・物資の収集
・登山申請
・航空券
・登山技術研鑽
『ギアの補充』
 まずは今回持っていったギアについて。
準備するにおいて悩んだ主要なものに限って説明するとして、他は以下にギアリストを公開しますので参考にしてください。(載ってないものもいくつかあります失礼、気づいたら足します)
ギアリスト:https://onedrive.live.com/redir?page=view&resid=C11F77930544EB22!1586&authkey=!AFMrW22bzW1wa0I(ギアの詳細が知りたい方は言ってください)
登山靴
今回遠征に当たって悩んだ靴は3つあります。
・コフラック アーティクス・エクスペ
・スカルパ ファントム6000
・スポルティバ スパンティーク

コフラックに関しては、安さ。他には比べ物にならないほど安い!安さに惹かれました。しかし、これが実際試し履きしましたがフィット感に難がありました。踵が抜けそうになるのでアイゼンの前爪で立込む動作に不安があり却下しました。

次に、ファントム6000。ファントムガイドを日本の冬山では使ってますので候補に。
これも試し履きの結果、僕の足の甲が高いのが原因でファスナーとの干渉に違和感があり、1時間試した結果却下しました。

最後にスパンティークですが、スポルティバはクライミングシューズで合わないので全く期待していませんでしたが、片手での靴紐の操作に魅力を感じ試し履きしました(極寒ではグローブが外せないので重要)。
実際試し履きしたところ、以外にも超フィット。
長時間の試し履きも違和感なし。
冬靴なのに夏靴みたいなフィット感がとても良く、8000m峰での実績も聴き、結果これをチョイスしました。
マッキンリー以上の高峰に挑戦する場合も、スパンティークにオーバーブーツで対応できるのでこれから10年は靴に関して投資の心配は無くなりました。(8000m峰でオーバーブーツの着脱時、チャックだと大変だったとの事、ベルクロ式にして貰えば行けそう)

  実績

さてスパンティークの実績ですが、今回C3(11,000Camp)以降使用しましたが、一切問題なし。
ノースフェイスのアルパインクライマーソックスを使用する事でインナーブーツも濡れず凍結無し。歩きはじめこそ寒いもののその後はあったかく使えました。剛性も問題無しです


寝袋
今回寝袋で悩んだのは、
・イスカ パフ 1100 EX
・モンベル EXP
・モンベル#0
まずイスカ。防水性、保温性、遠征での実績、どう考えても最良の選択です。
でも却下しました。汎用性にかけるなと思ったのと、遠征後デナリ国立公園内のバックカントリーに入るの事も理由の一つです。
モンベルEXP 遠征用です。どこに行っても実物が置いてなく、イスカ同様の仕様の割に評価が低い事で却下しました。
モンベル#0 口コミや、ショップ店員さん等、誰も勧めてきませんし、やめたほうが良いと言われました。ただ、他のクライマーの記事にて#1でもマッキンリーを登ってる人はいるし、勝手な自信がありました。ただ、少し寒がりなので#0くらいが良いかと思い、セール品を取り敢えず購入。厳冬期に阿弥陀岳の御小屋尾根から肩まで行き幕営、テスト仕様。マイナス25度。寒いけど寝れました。寒かった原因は間違いなく服を着替えなかった事だったので、それを参考に、厳冬期槍ヶ岳でのテスト、寝る前にアンダー以外脱ぎダウン上下に、イスカのシュラフカバーでマイナス22度で余裕で寝れました。
以上から、マッキンリーでは最低マイナス40度近く下がる事を考慮し、インナーライナーを購入。後は寒ければオーバーダウンが有るのでそれでカバーする事で行けると判断しました。
実績
全く問題無かったです。寒くて寝れない日は一度もありませんでした。14キャンプ以上は毎晩マイナス25度位でしたが暖かく寝れました。
ちなみに寝る時のスタイルは、スマートウールソックス、象足、フリースズボン、アンダー上下、インナーダウン上です。
タルキートナでも、寝る時に掛け布団にして寝ていました。
(注意:個人差大です、ご自分でテストを重ねてください)
補足
スリーピングマットに関して。
今回薄い銀マット1枚と、サーマレストのリッジレストの120cmの二つを使用しました。
日本の冬山と全く同じです。
足らない足部分は、ザック。頭部分は防水サックをまくら代わり。
以上で行けました。
ちなみに、通常は、フルサイズのリッジレストと、同サイズのエアマットをダブルで使っているようです。
マットを干していたら、欧米の方に「短くないか?寒くないのか!?」と何回か言われました。
寒がりなら、レンタルも出来るので持っていくべきでしょう。
アウター(ハードシェル)
これについては、悩んだというか、悩んでないというか。
予算的に、絞られていました。
・モンベル ストリームジャケット
・モンベル ダイナアクションパーカ
ほぼ、同レベル。丈夫か、そうじゃ無いか。かっこいいか、普通か。
結果、かっこよくて、薄くて、軽い、ダイナアクションパーカを購入しました。
僕は、基本的に稜線などの風が強い場所以外はハードシェルはザックに入れているので、軽くて薄い方が良かったのと、動きやすさを重視しました。
しかし、ゴアプロシェルで、この値段はすごい。
実績
全く問題なし。
使用したのは、ヘッドウォール以降。蒸れることもなく快適でした。
思ったより丈夫です。
ただ、やはり、ポケットは小さい。片方にカメラを入れると手袋の行き場を失います。
今回の記事はこの位にしようと思います。
また、続きを時間の空いた時に…

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